シナリオの読み方がわからずに、ドラマ性のある動画コンテンツの制作に苦しんでいる企業担当者は多いです。物足りなさや漠然とした疑問を感じても、どう修正を依頼すればいいのか分からず、制作会社に全てを任せたり、抽象的な指摘しかできずに制作会社を困惑させたりしてしまうことがあります。
的確なオーダーをするには必須! シナリオへの理解
シナリオへの理解は、的確なオーダーをするために不可欠です。シナリオは映像ドラマの設計図であり、それがしっかりとしていなければ高い費用をかけた制作も期待通りの結果につながりません。
そこで、プロの脚本家が初心者におすすめするシナリオの参考書をご紹介します。これらの本を一度手に取るだけで、結果は大きく変わるかもしれません。
ぜひシナリオを依頼する前にご覧ください。
シナリオのキホンを学ぶにはこの一冊!
「新版 シナリオの基礎技術」(新井一)
まず、最初に挙げるのが「新版 シナリオの基礎技術」です。
シナリオの基礎技術を学ぶにはこの一冊がおすすめです。シナリオには一定のルールがありますが、難解なものではありません。例えば、「柱」(場所の提示)や「ト書き」(セリフ以外に必要な動作や行動の指定)、「セリフ」のシンプルな要素があります。
この本を読めば、シナリオの書き方に関する知識を網羅することができます。初版は古いですが、今でも多くの脚本家志望者に支持されている定番の一冊です。
価格:1,650円(税込) 出版社 : ダヴィッド社 発売日 : 1985/11/1
ストーリーの構成を知るにはこの一冊!
「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」(シド・フィールド)
シド・フィールドは国際的に評価の高い脚本家であり、この本はその著者による脚本術のバイブルです。この本は、あらゆる物語創作の基礎となる「三幕構成」という要素について、詳細に解説しています。
また、企業のブランディングにおいても、視聴者の感情移入が成果を生む鍵となります。そのため、構成術を知っておくことは損ではありません。映画監督の安藤紘平さんや映画『クライマーズ・ハイ』など多くの名作を執筆されている加藤正人さんも監修者として関わっています。
さらに、「チャイナタウン」や「テルマ&ルイーズ」など、具体的なヒット作のシナリオの秘密が明かされています。これらの作品は成功を収めた優れたシナリオ例として取り上げられており、その成功の背後にある要素や手法が詳細に解説されています。こうした成功例から学びを得ることで、脚本家たちは、自身の成長や作品の品質向上に活かすことができるのです。
価格:2,750円 出版社 : フィルムアート社 発売日 : 2009/3/31
シナリオの参考書として人気ナンバーワン!
「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」(ブレイク・スナイダー)
シナリオの書き方に関する多くの本が国内外で出版されていますが、この本は登場してから10年以上にわたり非常に人気のある一冊です。
本書は、シド・フィールドと同様に主にシナリオの構成に焦点を当てており、その人気の秘密は「読みやすさ」にあります。脚本家であるブレイク・スナイダー氏の軽妙な語り口によって、楽しく読み進めることができます。
本書のタイトルにもなっている「SAVE THE CATの法則」とは、ブレイク・スナイダー氏が独自に名付けた「脚本の黄金法則」のことです。実践的な内容であり、一定のシナリオの理解がある方に向けて書かれています。また、本書で紹介されている「ブレイク・スナイダー・ビート・シート(BS2)」という構成用テンプレートは、構成に悩む作家たちから高い支持を得ています。
価格:2,420円(税込) 出版社 : フィルムアート社 発売日 : 2010/10/22
映画『武士の家計簿』の柏田道夫氏によるわかりやすさ抜群の一冊!
「シナリオの書き方―映画・TV・コミックからゲームまでの創作実践講座」(柏田道夫)
シナリオ・センター副所長であり、映画『武士の家計簿』などでも知られる柏田道夫さんによって執筆された本です。著者は長年にわたりシナリオの指導を行ってきた経験を持ち、初心者に対しても分かりやすく解説しています。
本書は新井一さんの「新版 シナリオの基礎技術」と内容的に似ていますが、現役の脚本家として今でも精力的に活動を続けている柏田道夫さんならではの実践的な解説も含まれています。この本は、書き方の基礎を学ぶには非常にお勧めの一冊です。
価格:1,222円(税込) 出版社 : 映人社 発売日 : 2012/3/27
脚本のお医者さんによる、脚本バージョンアップの秘訣!
スクリプトドクターの脚本教室・初級編(三宅隆太)
こちらは、脚本の問題点を見つけ出すスクリプトドクターとして活躍している三宅隆太さんによって書かれた本です。
本書の特徴は、著者が心理カウンセラーの資格を持ち、実際にカウンセリングの仕事もしていることから得られる「人間心理に基づいた創作のヒント」を学ぶことができる点です。また、脚本の完成に留まらず、「ブラッシュアップの方法」についても学ぶことができる点が魅力です。
この本は、「とりあえず初稿ができたけれど、どうやって推敲していけばいいのか迷っている」という方や、「依頼していた脚本が提出されたが、修正指示をどのように出せばいいのかわからない」という方などに特におすすめです。
価格:2,200円(税込) 出版社 : 新書館 発売日 : 2015/6/25
UCLAの人気課外授業!感情を動かすためのヒントが詰まった一冊
「感情」から書く脚本術(カール・イグレシアス)
「映画は感情商売であり、脚本家の仕事は読者の感情を掻き立てること」という信念に基づいて書かれた一冊です。
共感を生むキャラクターの作り方やコンセプトの選び方、緊張感を演出する方法など、観客の感情を揺さぶるための様々なテクニックが網羅的に紹介されています。
ハリウッド映画の実際の例を多数挙げながら、「なぜこのセリフが感情に訴えかけるのか」といった点についても詳しく解説しています。具体例が豊富であり、実践的なアプローチがなされているため、脚本家にとって価値のある一冊と言えるでしょう。
価格:2,640円(税込) 出版社 : フィルムアート社 発売日 : 2016/4/11
トレンドがわかる!1946年創刊、日本で唯一無二の映画シナリオ専門誌!
月刊「シナリオ」(日本シナリオ作家協会)
本誌は、日本シナリオ作家協会によって発行されている映画シナリオ月刊誌です。
毎号約3本のシナリオが掲載され、日本でただ一つの映画シナリオ専門誌でもあります。現在公開中または公開直前の映画シナリオと、過去の優れた作品が掲載されており、毎月手にすることで、自身の好みに合ったシナリオを見つけることができます。
また、月刊シナリオは常に最新のシナリオを研究できるという利点もあります。どのような題材がヒットするのか? 最新のシナリオを追いかけることで、トレンドや市場の動向を把握し、次のヒット作を産み出す手助けになります。
「月刊シナリオ」は、書店、古本屋、Amazonなどで販売されており、定期購読を利用して毎月入手することも可能です。また、過去のアーカイブが図書館に所蔵されている場合もあります。
シナリオのいまを知るなら、この本は外せないでしょう。
価格:1,210円(税込) 出版社 : シナリオ作家協会
まとめ
以上、脚本家がおすすめする脚本の参考書の紹介でした。
いかがだったでしょうか?
気になった本は見つかりましたか?
これらの書籍はシナリオの基礎知識を学ぶために役立つだけでなく、脚本家との打ち合わせもスムーズに進めることができるでしょう。
また、私たちシナリオ作家集団トキワのメンバーも、今回紹介した書籍に掲載されている技術を習得しています。
シナリオ作家集団トキワでは、映画やドラマの制作に加えて、ブランデッドムービーや企業のプロモーションドラマの制作に関しても有効なお手伝いをさせていただけるように最善を尽くします。お気軽にお問い合わせください。
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